
錆(さび、銹、?、英語: rust)とは、金属の表面の不安定な金属原子が環境中の酸素や水分などと酸化還元反応(腐食)をおこし生成される腐食物(酸化物や水酸化物や炭酸塩など)の事である。
出典:Wikipediaより
要は偉い人が精製した、例えば鉄は人間にとっては便利だけど地球上では不安定で、安定した状態へ戻ろうと酸素と結びついた結果が酸化鉄であり、錆の正体なのでしょう。合ってますか?
錆は車体の輝きやライダーの心を曇らせるほか、循環系、燃料系統を詰まらせたり、部品の強度を弱らせたり、可動部や機関部が侵されると重大な故障に繋がることもあり、お財布や、時に生命を脅かす元凶にもなりうるライダーと愛車にとっての永遠の課題でもあります!
定期的に乗車し、チェックとメンテナンスを行うこと(=早期発見、対処)こそが、もっとも有効な錆対策といえるでしょう。
外装のサビ
何かが錆びてしまった場合の基本的な対処方法は、錆の除去、脱脂洗浄、防錆処理を行うことです。
タンク外部
跳び石でできた小さな傷も、長時間放置されると気付かないうちに錆びてしまいます。
小さなものであれば錆を除去、脱脂洗浄してタッチペンで隠してしまいましょう。
穴が開いていたり、全体が深く錆びているのであれば、おそらく内部の錆もかなり進行しているものと思われますので、整備士さんにレストアしてもらうか、新品、中古タンクの購入も視野に入れなくてはなりません。
メッキパーツのサビ
フェンダーやミラー、エアクリーナーカバー等のメッキパーツの錆は程度にもよりますが、軽度であればメッキ用のサビ取り剤で対処できる場合もあります。
サビ取り剤で対処できないものには研磨で対応しますが、コンパウントの種類によってはメッキを傷めたり曇らせてしまう原因になるので、説明書やレビューを良く見て選びましょう。
整備士さんやショップの方、詳しい知り合いに相談してみるのも良いですし、メッキのサビ対処法や予防法はWEBでたくさん出てきますので、味噌汁でも飲みながら調べてみると面白い発見があるかもしれません!
業者にメッキをお願いする方法もあります。
剥離→傷修正→下地塗装→メッキ加工 と板金の工程とあまり変わらず高価ですが、問答無用の美しい新品メッキを拝むことができます。
絶版車を除くと、ある程度は中古パーツでカバーできるので、いろいろ探してみるのも楽しいですよ!
フレームのサビ
スチールフレームは基本的に防錆剤で塗装されていますが、小さな傷から錆が広がることがあります。
錆をきれいに取り除き、脱脂洗浄して防錆塗料を塗布しましょう!
錆がひどいようであれば、フレームのレストアを行うほかありません。
フレーム全体が侵食されているような傷み具合であれば、もれなく他の部位にも問題が出てきているはずです。よほど工具と設備、知識に恵まれた方でなければ、プロの方にお任せするのが一番です。
アルミフレームがくすんだり、白サビを吹き出しているようならアルミ用のサビ取り剤があるのでそちらを使用するようにしましょう。
なお、ヘアラインの部分に金属ブラシは厳禁です。
きれいに錆を除去できたら、防錆剤を塗布するのをお忘れなく!
ホイール、スポークのサビ
鉄、メッキ、アルミそれぞれの素材に合わせて錆取りクリーナーを用いたり、激落ち君やボンスターで磨いていきます。
ケミカルを用いる場合は、ゴムへの攻撃性も考え、タイヤやブレーキホースを侵食しないように注意して作業を行います。
スポークホイールの場合、磨いてもどうしようもないほど錆びたスポークは精度も狂っている可能性もありますので、新品スポークの張替えと調整を整備士さんにお願いするのが良いでしょう(スポーク自体はそこまで高いものではありません)。
足回りがきれいだと、車両が見違えてきます。
チェーンのサビ
気がつくと錆びているのがチェーンです。とくに梅雨時期などは放置してなくとも、気がつくと錆びていたりします。
走行中にチェーンのOリングからにじみ出たオイルに砂や汚れが付着し、サビを誘発させます。
放っておくとスプロケットの磨耗が進んだり、リンクの磨耗=ドライブチェーンの寿命がどんどん短くなっていきますので、こまめにお手入れをしていきたい箇所です(どの箇所もそうですが)。
表面上のサビ
チェーンにうっすらとサビが浮いているだけなら、チェーンクリーナーで油汚れを落とし、真ちゅうのブラシで側面のサビを落としていきます。
このとき、Oリングと呼ばれるシール部分を傷つけないようにしましょう。チェーンクリーナーもシールを侵さないシールチェーン対応品を使います。
内側(スプロケット接触部)も、やわらかいナイロンブラシで極力Oリングに触れないよう洗います。
サビ取りと洗浄が終われば、チェーンルブで油膜を張り、ゴミが噛まないよう余分なルブを拭き取って完成です!
チェーンルブはOリングに塗布するタイプとチェーン全体に吹きかけるタイプがありますので、お値段や用途に合わせて使い分けるといいかもしれません!
チェーンが固着している場合
深刻なサビであったり、コマがガッチリと固着していたり、チェーンのピンやプレートが曲がっている、割れたりしているようであれば迷わず交換しましょう。
チェーンが外れて転倒したり、高速走行中にドライブチェーンが破断、ふくらはぎをバッサリ切り裂いたという事例もあります。
キレイに、そしてベストな性能を保持できるよう、新しいチェーンと一緒に心も入れ替えてみるのもアリだと思います。
フロントフォークのサビ
フロントフォークに点々とサビが・・・
アウターケースのサビ
アルミ錆の斑点やまだら模様が気になる方は、磨いたり、自前で塗装してみても良いでしょう。
インナーチューブほど神経質になる必要は無いかな、と思います。
ただ作業時は、シール部分を傷めないように注意しましょう。
インナーチューブのサビ、オイル漏れ
ストローク部分のサビを放置すると、ストロークの度にシールを傷め続け、果てはオイル漏れの原因となります。
サビの出っ張りが無くなるまで磨き、汚れやすくなりますがその後も薄く、こまめにシールを傷めない油分で拭くようにしましょう。
すでにオイルが漏れているであれば、シール交換と一緒にオイル交換、程度によりますがインナーチューブの交換も視野に入れるべきでしょう。
適切にストロークしないばかりか、ブレーキローターにオイルが付着する危険性もあるため、そのまま乗ろうとせず、まずは詳しい方に相談してみましょう!
ブレーキローターのサビ
ブレーキローターは日常的に錆びているものなので、ある程度のサビであれば、走行するだけで削れ落ちます。
サビが酷いようであれば、軽く磨いて大きなサビを落としてあげると良いです。
私の場合は軽くルーセンを吹いてゴゴゴゴと転がし、ブレーキクリーナーで洗い流すときれいになりました。
ブレーキキャリパーの固着
「タイヤが回らない!」
「ブレーキが噛みっぱなし!」
そんなときは、ブレーキキャリパーのピストンが固着している可能性大です。
キャリパーの分解、清掃、パーツ交換が必要になります。
機械というのはtunaと同じで、動いてないとすぐ死んでしまうものですね・・・
キャリパーのオーバーホールは比較的簡単なのですが、ブレーキ装置ということもあり、自信が無い方はやはりプロの整備士さんにお任せしたほうが幸せになれます。
タンク中のサビ
放置車両と向き合ううえで一番見たくないのが、タンクキャップを開ける瞬間でしょう。
切なさと自分に対する怒りがこみ上げる瞬間です!
軽度
薄い斑点程度のサビであれば、ガソリンタンク専用のサビ取り剤でなんとかなったりします。
ガソリンフィルターの目詰まりに注意しつつ、もう錆びさせない!精神で愛車と向き合っていきたいですね!
車種によってはタンクの取り外しが困難なものもありますので、困ったときはプロの整備士さんに(以下略)。
重度
強烈な悪臭。分厚いサビの層に加え、内部に残ったガソリンが長年の経過によって酸化、変質しヘドロのように溜まっている状態。
こうなるとプロの整備士さんも額から一筋の汗が流れ落ちる状態です。石と灯油を入れて振ったり、お湯を入れてエアーを吹かしたり、サビ取り剤をループさせたりと、とにかく色々と試してくれます。
ガソリンタンクは操舵やブレーキによって一方に燃料が寄らないように隔壁(セパレーター)を内部に設けているものもあり、そういったタンク内部のサビを完全に除去するのはきわめて困難です。
ある程度サビは残るものと覚悟し、燃料フィルターの詰まりに注意しつつ、常にタンク内を新鮮なガソリンで満たしてあげましょう!
どうしても錆を抱いて走るのが嫌であれば、オークションで状態の良いタンクを落札したり、高くなりますが新品を購入するのも解決方法のひとつとなるでしょう。