カテゴリー
放置バイクについて

【徹底解説】エンジンがかからない!ときの復旧・修理方法(放置&冬)

放置したバイクのエンジンがかからない!
そんなトラブルを解決するための方法を、チェックポイントをおさえつつ網羅的に解説していきます。

パイロットランプ(インジケーター)の確認

ひとまずキーを回してをONにしてみましょう!
おおよそ1年以上放置した車両であればうんともすんとも言わない場合が大半でしょう。

パイロットランプが点灯しない!

キーをONにしてもニュートラルランプ等、パイロットランプが点灯しなければ大きく二つの原因が考えられます。

バッテリーの問題

大半の原因がコレです。


意外にもバッテリーは何もしない状態でも少しずつ放電しています。
気合をいれてバッテリーを充電してみましょう!

充電される

バッテリーがきちんと充電されれば、どうやらバッテリー上がりで済みそうです。
半年~1年程度の放置歴の浅いバイクであれば、元気なエンジンサウンドを聞かせてくれるはず。

充電されない

バッテリーは平均的な使用で2~4年程度で寿命を迎える消耗品です。
正しくバッテリーを充電してもセルモーターを回せるほどの十分な電流、電圧が確保されない場合は、
長期間の放置によるバッテリー電極が腐食=バッテリー寿命に達している可能性が考えられます。
少し高くつきますが、バッテリーを購入するほかありません。

電気系統の短絡、断線、腐食

テスター等でバッテリーの正常が確認されたにも関わらず、電気周りがうんともすんともいわなければ電気系統のトラブルが考えられます。
よほど電気に自信がなければ、整備のプロに任せるのがバイク復活の最短経路です。

パイロットランプがきちんと点灯する

ニュートラルランプやメーターが点灯するにも関わらずエンジンがかからない場合は次の項目を見てみましょう。

セルモーターの確認

そもそもセルモーターが回らなかったり、セルモーターの回転が弱いとエンジンはかかりません。
セルモーター関連の様子を見てみましょう!

セルモーターが回らない、弱い場合

エンジンキルスイッチが不適切

車種によりますが、キルスイッチがOFFだとセルモーターが回らない車両があります。
キルスイッチがON(RUN)になっているか確認してみましょう。

バッテリーの問題

「パイロットランプは点灯するけれどもセルが回らない!」
その原因にバッテリー上がりorバッテリーの寿命が考えられます。

セルモーターは大電力を必要とするパーツです。
バッテリーを充電したにも関わらずセルモーターの回転が弱々しかったり、カチカチとリレーの音だけが鳴る場合はバッテリーの寿命、もしくはセルモーター故障の可能性が出てきます。

セルモーターの故障

正常なバッテリーを使用しているにも関わらずセルモーターがうんともすんともいわない場合は、セルモーターそのものが故障しているかもしれません。
古い車種以外ではあまり故障するパーツでは無いのですが、このあたりの判断はプロの整備士さんに判断を任せた方が賢明です。

セルモーターがきちんと回る

放置バイクのセルモーターが回ると「いっけええええ!」って気合が入りますね。
インジェクション車だと意外にも一瞬でかかってびっくりします。
次の項目を見てみましょう!

復活が難しい&めんどうであれば、そのまま売却という手もあります。
有名バイク雑誌「バイクブロス」が展開する、
一括査定を利用して、一括査定してみましょう。

なんと!故障者や廃車も査定対象なのです

引用:バイクブロスの一括査定ページより



↑一括査定は↑

売ったお金で
あたらしいバイクを買うのも良いかもしれません!
売却義務はないようなので、一括査定で買い取り価格だけ査定してみることをおすすめします。

エンジンキルスイッチの確認

エンジンキルスイッチは、燃料ポンプやプラグの点火をカットして(色々あるようですが)エンジンを強制停止させるスイッチです。
普段は、なるべくいじらないようにした方がよいとのことです。

エンジンキルスイッチがOFF

一部の車種にエンジンキルスイッチがOFFでもセルモーターが回る車両があります。
キルスイッチがOFFの状態でセルモーターを回してしまった場合は、そのときにプラグがカブってしまった可能性がありますのでプラグの確認や、必要応じて清掃を行ってください。

エンジンキルスイッチがON

セルは回るけどエンジンがかからない・・・不安になってくるのはこのあたりからからでしょうか。
次の項目を見てみましょう。

燃料の確認

燃料が無くてはエンジンは燃焼できません。
車体を振ってシャバシャバ音が鳴っても、リザーブ以下の油量で賑わっている可能性もあります。

燃料がきちんと入っている場合

タンクの構造によっては一見ガソリンが入っているように見えて、ほとんど入っていなかった。ということもあります。

燃料コックOFF

長期保管する際のキャブレターのオーバーフロー対策に、フェールコックをOFFにする方も多いのではないでしょうか?
リザーブタンク搭載車両ならコックをリザーブまで回してみましょう。

燃料コックON

燃料が入っており、落ちているからといって油断してはいけません。

燃料が古い

ガソリンは放置によって揮発成分が抜けたり酸化、変質の進む、長期の保存が利かない燃料です。
古いガソリンをキャブレターやインジェクション、エンジンに送ると深刻なダメージを与える可能性がありますので、半年といわず、機関維持と同様できれば定期的に循環を行うよう心がけたいものですね。

燃料が新しい

ここまでくると気化装置、圧縮比、点火装置のいずれかに問題があると思ってよいでしょう。
3つのシンプルな問題です。

復活が難しい&めんどうであれば、そのまま売却という手もあります。
有名バイク雑誌「バイクブロス」が展開する、故障者や廃車も査定対象。



↑一括査定は↑

エンジンを燃焼させるための三大要素を確認してみよう!

エンジンは、

①燃料が適切に混合、気化されている
②混合気がきちんと圧縮されている
③圧縮された混合気が適切に点火されている

この三つが適正であれば、エンジンは燃焼しエネルギーを発生します。
ひとまずシンプルに、エンジンを掛けることだけに集中してみましょう!

①燃料気化器、燃料噴射器は正常か?

車両の長期放置によって酸化したガソリンは、燃料気化器(キャブレター)の各部品、例えばバルブやジェット類を詰まらせたり、フロートおよびフロートバルブを固着させ、油面、混合比の狂いを引き起こす原因となります。

最近キャブレターにとって替わりつつある燃料噴射器(インジェクター)も同様に、酸化したガソリンが燃圧の乱れや噴射量の低下を引き起こす要因になります。

エンジンの圧縮比やプラグの点火が適切であれば、(おもに)長期間放置したキャブ車のエンジンがかからない原因は、ほぼキャブレターにあると思って良いでしょう。

長期保管時はガソリンを空にするか、定期的に消費して新しいガソリンに入れ替える、燃料コックをOFFにしてキャブレター内のガソリンをドレンから抜いてさえおけば、少なくともキャブレターにおけるトラブルの発生率は激減するはずです。

故障したキャブレターを自前でオーバーホールされる方も多いですが、機械に自信が無い方やインジェクション搭載車であれば、プロの整備士さんにお任せするのが間違いないでしょう。

②圧縮比は適切か?

エンジンシリンダーに送られてきた混合気は、エンジンピストンにより圧縮されます。

エンジンの圧縮比が規定値以下である

エンジンの圧縮比を計測する圧縮計をスパークプラグのかわりに差し込んで、圧縮比が車両規定値であるかを確認します。
圧縮計をお持ちでなければ、お近くの整備工場に相談されてみても良いかもしれません(必ずあります)。

圧縮が車両の規定値を大きく下回るようであれば、最悪エンジンのオーバーホールを覚悟してください。

エンジンの圧縮が規定値である

規定値の圧縮比が確認できれば、ひとまずエンジンの腰上に深刻といえるような問題は無いと言えるのはないでしょうか!

③スパークプラグの動作は正常か?

適切に圧縮された気化燃料は、点火装置がなければエネルギーを生み出すことができません。
意外な落とし穴、プラグを見てみましょう!

プラグをエンジンから抜き出してプラグコードに接続、エンジンブロック等に当ててセルを回し、火花が飛んでいるか確認します。
感電しないように注意してください!

スパークプラグが機能してない

プラグが機能していない原因は多くあります。

プラグ汚い

プラグがカブる、焼ける原因を調べると非常に複雑になります。
ひとまずエンジンを掛けたいので、ワイヤブラシ等で磨いてみましょう。

プラグきれい

他気筒のプラグを付けてみたり、適合品の新品があれば、新品も付けてみます。
火花が出なければ、イグニッションコイル、インナーローター、CDI等の点火系電器に何らかの問題がある可能性が出てきます。
電器の診断や適切なパーツ交換に自信の無い方は、やはりプロの整備士さんにお任せするのが最適解です。

スパークプラグが機能している

キャブレター、インジェクターに問題が無い、圧縮比も適正、火花が出ているにも関わらずエンジンがかからない場合。
やはりイグニッションコイル、インナーローター、CDIあたりに問題がありそうです。

丸投げばかりでアレですが、良いショップ、整備士さんというのはほんとに何でもうまく解決してくれるので、信頼できるお店探しというのは愛車選びと同様とても大事なことだと思います。

復活が難しい&めんどうであれば、そのまま売却という手もあります。
有名バイク雑誌「バイクブロス」が展開する、
一括査定を利用して、一括査定してみましょう。

なんと!故障者や廃車も査定対象なのです

引用:バイクブロスの一括査定ページより



↑一括査定は↑

売ったお金で
あたらしいバイクを買うのも良いかもしれません!
売却義務はないようなので、一括査定で買い取り価格だけ査定してみることをおすすめします。

カテゴリー
放置バイクについて

シートが破れている!

バイクのシート

オートバイのシートとして
土台となるプラスチック類のシートベースに、
緩衝剤のウレタンを乗せ、
合皮等の表皮でカバーした製品が多く出回っています。

野ざらしで車両を長時間放置すると、シートの表皮が劣化し破れてきます。
破れた表皮を放置していると巨大スポンジのように雨水を貯え、乗車するたびにお尻がびしゃびしゃになってしまうので、修繕するなり買い替えるなり早めに対処してしまいましょう。
破れて雨水を貯えたシートはかいわれ大根が育つこともあるようです。
また、内部のウレタンも経年劣化でヘタったり固くなったりするので、せっかく復活させたバイクであれば、新品中古シートを探すなり、アンコ抜きついでに張替屋さんに修繕をお願いしたり、きれいな状態で気持ちよく乗り出したいですね。
無頼派であればガムテープでシートを修繕すのもアリかもしれません。

シートの張り替えをお願いしてみる!

シートの張替え料金は車種にもよりますが、だいたい1~3万前後のようです。

自分でシートの張り替えをしてみる!

合皮の加工、裁縫の心得がある方なら、ご自身で張替えをしてみるのも手段です。
完全オリジナルデザインのシートというのも素晴らしいですね。

シートを購入してみる

新品だと高くつきますが、ネットオークション等で適合車種のキレイなシートが格安で手に入ることもあります。
モニターにかじりつく、とまでは言いませんが、たまにチェックすると適合車種の思わぬ出品に巡り合うことも!

カテゴリー
放置バイクについて

タイヤがパンクしている!

そこにはぺしゃんこのタイヤが!

放置車両と久しぶりの対面を行うと、まず目がいくのはタイヤでしょう。
不自然なアングルの愛車、そして襲い掛かる不甲斐ない悲しみ。ためいき。
またがると足つきがめちゃ良い!
とりあえず空気を入れ、タイヤを転がしてみましょう!

何か刺さっている!

走行時ならまだしも放置中に何かが刺さる可能性はきわめて低いのですが、もし何かが刺さっていた場合はどうすれば良いのでしょう?

キットで応急処置

チューブレスタイヤであればタイヤに刺さったクギや枝、異物をペンチ等で取り除き、ゴム栓を打ち込んだり、(応急)パンク修理剤を充てんします。
とりあえず転がして移動できるようになりますが、あくまでも応急処置であることに注意し、できるだけ早くパンクしたタイヤを交換するようにしましょう。

パンクが回復すれば、他のメンテナンスや故障箇所への対応が格段ラクになります。

業者に連絡

自宅でパンクしている場合も、整備士さんにお願いすれば(近所であれば)3000円ほどで整備場まで移送してくれるので、車検や整備を更新するついでにお願いしてみてはいかがでしょうか。

放置バイクではありませんが、出先で帰ろうとしたらパンクしていた、というのはよくある話です。
「帰るだけだから」といって自転車ならまだしも、たとえ低速走行でもパンクしたタイヤのバイクで自走するのは大変危険です。

タイヤによる保護を失ったホイールのリムがわずかな段差で深刻に傷むばかりか、最悪ビードが外れ、無抵抗のままいきなり対向車線に投げ出される危険があります。
パンクした車体は無茶苦茶に重いですが、整備場や、一部のガソリンスタンドでも応急処置を受け付けてくれるところがあるので、ダメ元で相談してみましょう!
お店によりますが応急処置の価格はおよそ2~4千円くらいです。

ちなみに私事ですが○○部品にオイルを買いに行った際パンクに見舞われ、パンク修理はできないが新品タイヤが今お買い得ですよ、と言われた過去があります。
向かいのガソリンスタンドでタイヤにゴム栓を打ち込みながら「ありえないっすよねw」と笑うツナギのおにーさんがとてもカッコよかったです。

何も刺さっていない!?

放置車両のパンクの原因は、実は自然に空気が抜けた場合がほとんどです。
意外なように思われますが、ゴムは空気をわずかながら通すのです。
風船が時間経過でしおしおにしぼむのと同じ原理ですね。
放置期間にもよりますが、おおよそ空気を入れるとタイヤは何事も無かったかのように(実際に何事も無かった)パンパンに膨らみ、ころころと転がってくれるでしょう。

エアバルブの劣化、破損

エアバルブは自転車の虫ゴムと同じ消耗品です。
長期間放置によってエアバルブが劣化し、そこから空気が漏れ出た可能性があります。
車両復活後は、とくにエアバルブの劣化に注意し、タイヤの空気圧をこまめにチェックするようにしましょう。
次のようにタイヤの劣化が激しければ、タイヤと一緒にエアバルブも交換してもらいましょう。

タイヤがひび割れている

タイヤのショルダーやサイドウォール、ビード部分にヒビ割れのようなものが!
揉まない輪ゴムと同じく、放置されたタイヤは紫外線に侵され、日々弾性を失いつつあります。

経年劣化

タイヤに適度な加重を掛けて転がすと、タイヤのコンパウントに混ぜられた劣化防止剤がにじみ出てタイヤ表面の劣化を防ぐのですが、放置によって劣化が早まります。

程度にもよりますが、目に余るようなひび割れは経年劣化によるタイヤの寿命と考えてください。
「まだ山のようにミゾがある!」と、ひび割れたタイヤでそのまま走り続けると、最悪バーストを起こしてしまいますので早めの交換を!

カテゴリー
放置バイクについて

車検、自賠責保険が切れている!

排気量が251cc以上で2年以上放置した車両は、車検と自賠責保険が俗にいう「切れている」状態なので、そのままでは公道を走行することができません。
公道を走行するためには車両検査の更新(車検)と、自賠責保険の加入が必須となります。


無車検、無保険で公道を走行すると、それはもういろいろと大変なことになるので絶対にやめましょう。

ナンバーのシール、車検証、車両保険証で確認

車両検査の満了日と自賠責保険の期限がそれぞれ車検証、自賠責保険証に記載されていますので、まずは車検と自賠責保険が残っているか確認してみましょう!
車両検査の有効期間24ヶ月に合わせて自賠責保険も同様に24、25ヶ月契約を行う場合が大半ではないでしょうか。
これらが切れていなければ、車両に問題が無ければ公道を自走することができます。
これらが切れていた場合、仮ナンバー車両を除き、車両を公道で走行させてはいけません。

業者に連絡

車検の代行をお願いする際に、車検や自賠責保険の切れた車両は公道上を自走できないので、信頼できる整備士にお願いして整備場まで移送、メンテナンスをお願いするのがもっとも手っ取り早くバイクを復活させる方法ではないでしょうか。
自動車の整備工場にお願いしても良いのですが、個人的には何かとケチをつけてくることもある車両検査士に圧倒的情報、バイクのノウハウで噛み付いてくれるバイク屋さん、バイクを購入したショップ等にお願いすると、スムーズに検査をクリアできる可能性が高くなります。

私が自動車整備士さんに車検代行をお願いしたときは、プロによる整備が行われたうえで検査士に「ウィンカーを点灯させた時、ほんのわずかにヘッドライトが息づく」という指摘をされたのですが(SV1000S)、自動車整備士さんと仲の良いバイク屋さんが代わりに車検場に持っていっただけで検査を通過したという事例があります。

「この年式のデュアルライトは息づくものなの!それでも検査士かぁ?」

という、なかなか過激なやりとりがあったそうです。それが正しいのかどうかはともかく、とても頼もしく思えたところです。

自分で車検を通すこともできます!

ご自身で自賠責保険に加入し、書類を準備、仮ナンバーを取得して車検場まで持っていくユーザー車検という方法もあります。
自動車に比べて整備箇所の少ないオートバイならチャレンジしやすいですね。

「ユーザー車検」等で検索をかけていただければその方法がズラリと出てきます、が、機械に自信が無かったり、工具が揃っていなかったり、日常整備やミーティング等でお世話になっているショップがあるのであれば、お付き合いという観点から代行をお願いしたほうが、お互いに良い関係を保てるのではないでしょうか(欲しかった車両を引っ張ってきてくれたりとか!)。

サイレンサーを交換している車両は、たとえ適合品であったとしても消音器、ウールの経年劣化や焼失によって車検に弾かれる可能性があります。
そんなときのために純正サイレンサーとガスケットを準備しておくとスムーズに車検をクリアできますよ!

純正サイレンサーをお持ちでなければおおよそ同年式、同カテゴリーで流用されている場合が多いので(SV1000であればTLS、TLRが共用サイレンサーだった記憶があります)ヤフオク等で入手しておき、気分で付け替えてみるのもフィーリングが変わったりして面白いものです。

ちょっとくらいの傷さえ気にしなければ格安で入手できますよ!

カテゴリー
放置バイクについて

錆びている!

錆(さび、銹、?、英語: rust)とは、金属の表面の不安定な金属原子が環境中の酸素や水分などと酸化還元反応(腐食)をおこし生成される腐食物(酸化物や水酸化物や炭酸塩など)の事である。

出典:Wikipediaより

要は偉い人が精製した、例えば鉄は人間にとっては便利だけど地球上では不安定で、安定した状態へ戻ろうと酸素と結びついた結果が酸化鉄であり、錆の正体なのでしょう。合ってますか?
錆は車体の輝きやライダーの心を曇らせるほか、循環系、燃料系統を詰まらせたり、部品の強度を弱らせたり、可動部や機関部が侵されると重大な故障に繋がることもあり、お財布や、時に生命を脅かす元凶にもなりうるライダーと愛車にとっての永遠の課題でもあります!

定期的に乗車し、チェックとメンテナンスを行うこと(=早期発見、対処)こそが、もっとも有効な錆対策といえるでしょう。

外装のサビ

何かが錆びてしまった場合の基本的な対処方法は、錆の除去、脱脂洗浄、防錆処理を行うことです。

タンク外部

跳び石でできた小さな傷も、長時間放置されると気付かないうちに錆びてしまいます。
小さなものであれば錆を除去、脱脂洗浄してタッチペンで隠してしまいましょう。
穴が開いていたり、全体が深く錆びているのであれば、おそらく内部の錆もかなり進行しているものと思われますので、整備士さんにレストアしてもらうか、新品、中古タンクの購入も視野に入れなくてはなりません。

メッキパーツのサビ

フェンダーやミラー、エアクリーナーカバー等のメッキパーツの錆は程度にもよりますが、軽度であればメッキ用のサビ取り剤で対処できる場合もあります。
サビ取り剤で対処できないものには研磨で対応しますが、コンパウントの種類によってはメッキを傷めたり曇らせてしまう原因になるので、説明書やレビューを良く見て選びましょう。
整備士さんやショップの方、詳しい知り合いに相談してみるのも良いですし、メッキのサビ対処法や予防法はWEBでたくさん出てきますので、味噌汁でも飲みながら調べてみると面白い発見があるかもしれません!

業者にメッキをお願いする方法もあります。
剥離→傷修正→下地塗装→メッキ加工 と板金の工程とあまり変わらず高価ですが、問答無用の美しい新品メッキを拝むことができます。
絶版車を除くと、ある程度は中古パーツでカバーできるので、いろいろ探してみるのも楽しいですよ!

フレームのサビ

スチールフレームは基本的に防錆剤で塗装されていますが、小さな傷から錆が広がることがあります。
錆をきれいに取り除き、脱脂洗浄して防錆塗料を塗布しましょう!

錆がひどいようであれば、フレームのレストアを行うほかありません。
フレーム全体が侵食されているような傷み具合であれば、もれなく他の部位にも問題が出てきているはずです。よほど工具と設備、知識に恵まれた方でなければ、プロの方にお任せするのが一番です。

アルミフレームがくすんだり、白サビを吹き出しているようならアルミ用のサビ取り剤があるのでそちらを使用するようにしましょう。
なお、ヘアラインの部分に金属ブラシは厳禁です。
きれいに錆を除去できたら、防錆剤を塗布するのをお忘れなく!

ホイール、スポークのサビ

鉄、メッキ、アルミそれぞれの素材に合わせて錆取りクリーナーを用いたり、激落ち君やボンスターで磨いていきます。
ケミカルを用いる場合は、ゴムへの攻撃性も考え、タイヤやブレーキホースを侵食しないように注意して作業を行います。

スポークホイールの場合、磨いてもどうしようもないほど錆びたスポークは精度も狂っている可能性もありますので、新品スポークの張替えと調整を整備士さんにお願いするのが良いでしょう(スポーク自体はそこまで高いものではありません)。

足回りがきれいだと、車両が見違えてきます。

チェーンのサビ

気がつくと錆びているのがチェーンです。とくに梅雨時期などは放置してなくとも、気がつくと錆びていたりします。
走行中にチェーンのOリングからにじみ出たオイルに砂や汚れが付着し、サビを誘発させます。
放っておくとスプロケットの磨耗が進んだり、リンクの磨耗=ドライブチェーンの寿命がどんどん短くなっていきますので、こまめにお手入れをしていきたい箇所です(どの箇所もそうですが)。

表面上のサビ

チェーンにうっすらとサビが浮いているだけなら、チェーンクリーナーで油汚れを落とし、真ちゅうのブラシで側面のサビを落としていきます。

このとき、Oリングと呼ばれるシール部分を傷つけないようにしましょう。チェーンクリーナーもシールを侵さないシールチェーン対応品を使います。

内側(スプロケット接触部)も、やわらかいナイロンブラシで極力Oリングに触れないよう洗います。

サビ取りと洗浄が終われば、チェーンルブで油膜を張り、ゴミが噛まないよう余分なルブを拭き取って完成です!

チェーンルブはOリングに塗布するタイプとチェーン全体に吹きかけるタイプがありますので、お値段や用途に合わせて使い分けるといいかもしれません!

チェーンが固着している場合

深刻なサビであったり、コマがガッチリと固着していたり、チェーンのピンやプレートが曲がっている、割れたりしているようであれば迷わず交換しましょう。
チェーンが外れて転倒したり、高速走行中にドライブチェーンが破断、ふくらはぎをバッサリ切り裂いたという事例もあります。
キレイに、そしてベストな性能を保持できるよう、新しいチェーンと一緒に心も入れ替えてみるのもアリだと思います。

フロントフォークのサビ

フロントフォークに点々とサビが・・・

アウターケースのサビ

アルミ錆の斑点やまだら模様が気になる方は、磨いたり、自前で塗装してみても良いでしょう。
インナーチューブほど神経質になる必要は無いかな、と思います。
ただ作業時は、シール部分を傷めないように注意しましょう。

インナーチューブのサビ、オイル漏れ

ストローク部分のサビを放置すると、ストロークの度にシールを傷め続け、果てはオイル漏れの原因となります。
サビの出っ張りが無くなるまで磨き、汚れやすくなりますがその後も薄く、こまめにシールを傷めない油分で拭くようにしましょう。

すでにオイルが漏れているであれば、シール交換と一緒にオイル交換、程度によりますがインナーチューブの交換も視野に入れるべきでしょう。
適切にストロークしないばかりか、ブレーキローターにオイルが付着する危険性もあるため、そのまま乗ろうとせず、まずは詳しい方に相談してみましょう!

ブレーキローターのサビ

ブレーキローターは日常的に錆びているものなので、ある程度のサビであれば、走行するだけで削れ落ちます。
サビが酷いようであれば、軽く磨いて大きなサビを落としてあげると良いです。
私の場合は軽くルーセンを吹いてゴゴゴゴと転がし、ブレーキクリーナーで洗い流すときれいになりました。

ブレーキキャリパーの固着

「タイヤが回らない!」
「ブレーキが噛みっぱなし!」
そんなときは、ブレーキキャリパーのピストンが固着している可能性大です。
キャリパーの分解、清掃、パーツ交換が必要になります。
機械というのはtunaと同じで、動いてないとすぐ死んでしまうものですね・・・

キャリパーのオーバーホールは比較的簡単なのですが、ブレーキ装置ということもあり、自信が無い方はやはりプロの整備士さんにお任せしたほうが幸せになれます。

タンク中のサビ

放置車両と向き合ううえで一番見たくないのが、タンクキャップを開ける瞬間でしょう。
切なさと自分に対する怒りがこみ上げる瞬間です!

軽度

薄い斑点程度のサビであれば、ガソリンタンク専用のサビ取り剤でなんとかなったりします。
ガソリンフィルターの目詰まりに注意しつつ、もう錆びさせない!精神で愛車と向き合っていきたいですね!
車種によってはタンクの取り外しが困難なものもありますので、困ったときはプロの整備士さんに(以下略)。

重度

強烈な悪臭。分厚いサビの層に加え、内部に残ったガソリンが長年の経過によって酸化、変質しヘドロのように溜まっている状態。
こうなるとプロの整備士さんも額から一筋の汗が流れ落ちる状態です。石と灯油を入れて振ったり、お湯を入れてエアーを吹かしたり、サビ取り剤をループさせたりと、とにかく色々と試してくれます。
ガソリンタンクは操舵やブレーキによって一方に燃料が寄らないように隔壁(セパレーター)を内部に設けているものもあり、そういったタンク内部のサビを完全に除去するのはきわめて困難です。
ある程度サビは残るものと覚悟し、燃料フィルターの詰まりに注意しつつ、常にタンク内を新鮮なガソリンで満たしてあげましょう!

どうしても錆を抱いて走るのが嫌であれば、オークションで状態の良いタンクを落札したり、高くなりますが新品を購入するのも解決方法のひとつとなるでしょう。

カテゴリー
放置バイクについて

照明が点かない!

放置バイクの悩み、照明類のトラブルを解決していきましょう。

通電を確認できないと、不安でたまらなくなりますね!

すべての灯火、ランプが点灯しない場合

キーを回してぴくりともしない場合。
よくあることですね!

電球をチェック

すべての電球が一斉に切れることなどありえないはずですが、とりあえずどれかひとつ、電球を確認してみましょう。
もしあらゆる電球が切れているようでしたら、レギュレーターやコンデンサー、配線関係に深刻な問題が発生していると見て良いでしょう。

バッテリーをチェック

まずはバッテリー上がりを疑うべきです。
とにかく充電してみます。
長時間放置されたバイクのバッテリーは内部の極板が寿命を迎えているケースも少なくなく、もし充電しても電圧が確保されない場合はバッテリーの交換が必要になります。

ヒューズをチェック

ヒューズは配線の短絡やレギュレーター、コンデンサーの故障によって発生した過電流を遮断し、回路を保護するお守りのようなものです。
バッテリーが正常にもかかわらずランプが点灯しない場合、ヒューズが切れていないか確認します。
適切なヒューズに取り替えましょう。
その後ヒューズが頻繁に切れるようでしたら、ギボシやコネクターの破損による回路の断線や短絡、もしくはレギュレーターの故障によって過電流が発生している可能性が高く、配線やレギュレーターの修理、交換を検討しておいたほうが良いかもしれません。
これらは20年選手のバイクぐらいになると、よく故障が発生する箇所でもあります。

一部の灯火、ランプが点灯しない場合

交換後も頻繁にヘッドライトが切れたりするようであれば、レギュレーターやコンデンサーの故障も疑うべきでしょう。
故障箇所が断定できなかったり、パーツの取り寄せ、交換ができないのであれば、迷わず整備士さんに相談しましょう!

電球をチェック

問題の電球をチェックしてみます。
フィラメントが跳んでいたら、軽く振ったりすると直るかもしれません。
フィラメントが切れていたら、あきらめて買いましょう!

ヒューズをチェック

対応するヒューズが切れていないか確認します。
当然ですがヒューズを交換する際はそれぞれの電流、電圧に対応したヒューズを取り付けるようにしましょう。
もともと付いていたものと同じものを付けるだけですね!

対応外のヒューズは絶対に付けてはいけません。
車両火災を引き起こしたり、燃えなくともハーネス一式を交換するハメになります。